2013/12/31

やまと+謎の激安チェーン酒場の話



酒呑み歩き 新宿・やまと+謎の激安チェーン酒場の話

新しいせんべろ酒場を探して呑み歩いた。

いつもの酒場以外で、いいところはないかと探していたら、東五反田に「ぼたん」という中生160円(当時価格)の酒場があると聞いた。

肴はちょっと高い。あと、通し代が300円。

しばくしたら、渋谷に「すみれ」という中生120円(当時価格)の酒場があると聞いた。

店頭の外装も、店内の内装も、メニューも「ぼたん」と同じで、通し代が400円。

しばらくしたら、新橋に「コン」という中生80円(当時価格)の酒場があると聞いた。

店頭の外装も、店内の内装も、メニューも「ぼたん」「すみれ」と同じで、通し代が400円。あまりに同じなので、気になってスタッフに聞いたが、チェーンではない、と。

しばらくしたら、新宿に「やまと」という酒場があると聞いた。

ちょっとわかりにくい処にあって、店頭の外装は和風、割烹。高級感を出してるが、店内は大箱の大衆酒場。海の家のような内装。若いスタッフ。フォーマットになってるメニュー、ポップ。たこ焼き、ナポリ焼きそば、寿司などが定番の肴。酒はビール(黒ラベル)、ハイボ、サワーは安いが、他の酒はふつう。肴はちょっと高い。ただ、ビールはそんなに呑めないし、ハイボやサワーは作り方しだいで原価は安く抑えられるし、トータルでは決して安くないが、ビールの価格に釣られて入ってしまう。

ちなみに「やまと」は中生は180円(当時価格)。通し代は300円。

ウエブで「裏モンテローザ」「謎の激安チェーン酒場」と呼ばれる酒場。宣伝もせず、いつのまにか都内に20店くらいとなった。店名はバラバラだが、実は南青山にある、謎の「飯田」が営むチェーン酒場。始まりは神楽坂の「竹ちゃん」、もしくは六本木の「松ちゃん」らしい。いつからか、ローコスト、多業態展開のモンテローザに対して「裏モンテローザ」と呼ばれる。チェーンか、FCか、単店採算かはわからない。

酒場に居ると社会がよくわかる。「謎の激安チェーン酒場」はウエブをうまく使った、新しい酒場かもしれない。

でわ。

2013/12/30

日本酒・大利根酒造(群馬)



酒呑み比べ 群馬・大利根酒造

大利根酒造は、尾瀬の麓にある小さな酒蔵だ。

1902年創業。だが、この地で酒造りが始まったのは1739年。その歴史を、酒蔵は受け継いでいる。昔からの酒造り、手造りによる酒。受け継ぐために、守り続けるために、あえて事業拡大を避けているという。

六年貯蔵の純米酒。手間や時間を惜しまないで作った酒。酒米にむかないコシヒカリで作った純米酒。地産地消を思って数年がかりで作った酒。この蔵が最後かもしれない、綿による濾過方式。どれもが蔵元の「みずからが呑みたい酒」を作るという信念だ。

メインの酒銘は「左大臣」。尾瀬の軟水を仕込水に使っている。「六年貯蔵純米酒」は、ふくよかな香り、6年間を濃縮した旨味ある味わい。昔ながらの伝統醸造が醸し出す、昔ながらの香りと味わい。大利根酒造は新酒以外は、必ず2年、3年は寝かせているとのこと。

好き嫌いのはっきりする香りと味わい。日本酒も洋酒も呑む人に勧める。酒を寝かせることのおもしろさを香って、味わってほしい。

他の酒銘に「沼田城」「尾瀬の雫」「花一匁」「奥利根紀行」がある。

ぜひ。

呑み比べた3本
左大臣 純米酒
Alc:15〜16・酒度:+1・精米歩合:65%(?)
左大臣 本醸造生酒
Alc:18〜19・酒度:+3・精米歩合:65%(?)
左大臣 六年貯蔵純米酒
Alc:15〜16・酒度:+2・精米歩合:65%(若水)

2013/12/28

コン



酒呑み歩き 新橋・コン(再配信)

中生80円は初配信時

2013/12/27

味の笛+神田酒場の話



酒呑み歩き 神田・味の笛+神田酒場の話

神田を呑み歩く。けっこう呑んだ。けっこう酔った。

立ち呑み屋「味の笛」に入った。立ってれば、まだ呑める。

「味の笛」は、御徒町駅前にあるファミリーデパート吉池が営む立ち呑み屋。吉池は、小売業以外に外食業も展開。そのひとつに、立ち呑み屋「味の笛」がある。神田店は1992年、本店は1997年開店。

創業者出身の新潟の酒、魚介の肴、手づくり総菜を楽しめる。ビール250円、酎ハイ200円、ハイボ250円、新潟の酒が300〜500円。肴は200〜400円。安い、旨い立ち呑み屋だ。

前も書いたが。

有名なチェーンの立ち呑み屋。通しで100円も取られる。酒も肴も決して安くない。別にけちってるわけではない。ただ、立ち呑み屋でチャージは、その価格はないだろう。立ち呑み屋は立って軽く、早く、そして安く呑む処と思っている。そういう処と思って入る。だが、チャージを、その価格を言ってくるならば座りたい。ゆっくり呑みたい。

それでも「安い」「CP凄い」というレビューを見ていると、「酒呑み」と「酒を呑みたい人」は違うと思った。まあ、サービスも悪いし、客筋も悪いし。まあ、もう入らないけど。

ちなみに「俺のやきとり」ではない(笑)。

話を戻して。「味の笛」で呑んで驚いたのは、神田酒場は客筋が見事に分かれている。地元人、若いサラリーマンとオヤジのサラリーマン、ひとり呑み、ふたり呑み、グループ。店によって客が違う、客によって店が違う。「味の笛」はちょっと疲れた(失礼)サラリーマンで賑わう。

もっと驚いたのは、どの店も客筋がとってもいい。若い人もグループも騒がない。ここは騒ぐために酒を呑む処ではない。酒を呑んで騒ぐ処でもない。酒を呑んで楽しむ処だ。楽しみ方は色々。話す、本を読む、たゆたゆと寛ぐ、ただ旨い酒と旨い肴を楽しむ。そういう処だ。

この神田という街が、ずっと醸しだしてきた気風かもしれない。この気風を失わないような、新しい街に。大衆酒場を新しい形で続けてほしい。

でわ。

2013/12/26

カップ酒を楽しもう!(2)菊水の話



酒呑み比べ カップ酒の呑み比べ(後編)

最近、小さな酒蔵が、おしゃれなカップでカップ酒を出して再びブームになっている。

呑み比べたカップ酒の、皇国晴酒造の「豪華生一本」は、その先駆的存在。シンプルで、花模様以外は酒銘も、蔵名も書かれていない。呑み終わったら、花瓶になるような秀逸なデザインだ。CMで有名になった「生一本」のカップ酒。

皇国晴酒造は1887年創業の、富山の酒蔵。創業時の蔵名は岩瀬酒造。名水百選のひとつが、しかも軟水と硬水のふたつが蔵内に湧き出ている全国唯一の、恵まれた酒蔵だ。1984年に作られた「幻の瀧」で、「生一本」はセカンドブランドになったが、伝統を重んじた清酒を作り続けている。

その真逆にあるのは「ふなぐち菊水一番しぼり」だ。「大関」や「豪華生一本」の洗練なデザインと真逆の、ちょっと…なデザイン。だが、酒好きにとって有名なカップ酒だ。

「ふなぐち菊水一番しぼり」はガラス製ではなく、アルミ製のカップ酒。缶に、そのワケが書かれている。

今はあたりまえのように生酒が売られているが、生酒は熱処理(火入れ)しないと腐敗、劣化する。昔の技術で生酒を売るのはできなかった。だが、試行錯誤のすえにアルミ缶によってできた。つまり菊水酒造は、40年前の1972年に、カップ酒で生酒を出した唯一の酒蔵だ。加水調整もしてないので、19度。

醪を酒と酒粕に分けるための酒槽から出る原酒を、菊水酒造は「ふなぐち」と呼んだ。また、キリンビールは「一番搾り」を出す際に、酒銘使用の挨拶があったという。「ふなぐち菊水一番しぼり」という長い酒銘に込められたのは。

「ふなぐち菊水一番しぼり」は、缶内熟成によって半年でブランデーのような味わい、1年で中国の老酒のような味わいになるという。熟成が待てない人は、1年熟成の「熟成ふなぐち菊水一番しぼり」を。新米で作った秋季限定発売の「新米新酒ふなぐち菊水一番しぼり」、醸造アルコールを使わないで、かすとり焼酎を使った米のみの原料の「薫香ふなぐち菊水一番しぼり」もある。

菊水酒造は1881年創業の、新潟の酒蔵。皇国晴酒造と違って、伝統にとらわれないで、技術開発、合理主義で、新しい清酒を作り続けている。過去、いくども存続危機に遭ってきたからかもしれない。存続危機を、酒蔵一体となって乗り切った想いが、酒銘に込められている。

酒蔵によって考え方、拘り方が違うのは当然。だが、ふたつの酒蔵の社訓は、偶然に「呑む人のために良い酒を造る」と。一升瓶は買うのもたいへんだ。カップ酒で、ふたつの酒蔵の違いを、ぜひ、味わってほしい。

呑み比べたカップ酒
金冠ワンカップ・大関
白鶴ペーパーカップ・白鶴酒造
豪華生一本・皇国晴酒造
酔心・酔心山根本店
開運祝酒・土井酒造場
八海山・八海醸造
奥の松・奥の松酒造
ふなぐち菊水一番しぼり・菊水酒造
賀茂鶴純米酒・賀茂鶴酒造
羽陽辯天・後藤酒造店

2013/12/25

鶴亀



酒呑み歩き 神田・鶴亀

神田を呑み歩く。

5店目は「鶴亀」。店頭も店内も商店街の中華屋。中華屋が酒場になったのか、居抜きで中華屋を酒場にしたのか。そのへんはわからないが、現在は昼間営業なし、ランチなしの、りっぱな大衆中華酒場だ。

料理はオリジナリティある、旨い中華料理。日本人ごのみに、日本の酒に合わせた中華料理。よくある中華酒場は、いまいち清酒や焼酎に合わない。ビールと紹興酒など、肴に酒を合わせなければならない。「鶴亀」は、ふつうの酒場料理もあって、酒を呑みながら和洋中の肴を食べられる、楽しい大衆中華酒場だ。

ホッピーセット520円、ナカ210円はちょっと高いので、ハイボ250円と酎ハイ270円を頼む。酎ハイは1杯目のみにカットフルーツが添えられる。今日はメロン。他の酒は中生380円、大瓶580円など。ハイボと酎ハイだけがなぜか安い。

神田酒場は、同じような大衆酒場に見えるが、同じではない。最近はチェーン酒場や個性ない今風酒場も増えてきたが、40年も、50年もずっと営んできた酒場は、さすがだ。雰囲気がまったく違う。そのへんを楽しみながら、ぜひ、神田酒場を呑み歩いてほしい。

「鶴亀」の隣に「あすなろ」という同じような大衆中華酒場がある。どう違うのか、どう楽しませてくれるのか。

また神田に来よう。

2013/12/24

カップ酒を楽しもう!(1)



酒呑み比べ カップ酒の呑み比べ(前編)

カップ酒のイメージといえば、自販機やコンビニで、「気軽に酒が呑めればいい」というかんじだ。日本酒が多いので、「カップ酒」「日本酒」「よっぱらい」、そして保管状態も良くないので「旨くない」というかんじだ。

カップ酒は、日本酒の悪いイメージの象徴だった。

数年前にカップ酒のブームがあって、専門の酒場があったが、最近、小さな酒蔵が、おしゃれなカップでカップ酒を出して再びブームになっている。ガラスカップ以外の、割れにくい、再栓のかんたんなアルミボトルが出てきたり、乙類焼酎のカップやワインのミニボトルが出てきたり、いつでも、どこでも、色々な酒が気軽に呑めるようになった。

呑みきりで、旅行や出張、観戦や宴会などで気軽に酒が呑める優れたカップ酒。優れたところが、ようやく認められた。

カップ酒は、1964年に、灘五郷の酒蔵・大関の出した「ワンカップ大関」が始まり。「ワンカップ」は1合瓶という意で、登録商標だ。酒場で呑むコップ酒をそのまま商品にしようという考え。その後に、他のメーカーもカップ酒を出したが、大関のほぼ寡占市場。最盛期は年間1億本以上も売れたという。

その「ワンカップ」を作った大関は、1711年創業。日本酒は、オヤジが立ち呑み屋でコップで呑む安い酒というイメージだった。そのイメージを拭おうと考えた。コンセプトは、若者に街中でかっこよく呑んでもらう酒。だからロゴデザインも、カップデザインもこだわった。酒質もこだわった。だが、結果はオヤジが喜んで呑んだ。呑んで1億本も売れた(笑)。

再びブームになっている。大関の考えたコンセプトどおりに。自慢の酒を知ってもらおうと、呑んでもらおうと、味わってもらおうと、小さな酒蔵がカップ酒で出している。色々な純米酒や吟醸酒が気軽に呑める。コンビニも、保管状態を良くして、ブームを支えている。

ぜひ、今晩はカップ酒を。

2013/12/23

日本酒・青砥酒­造(島根)



酒呑み比べ 島根・青砥酒­造

かつて出雲国のあった安芸にある青砥酒­造は、1895年創業。まだ歴史はそんなにない。歴史のある町で始まった、これから歴史を作っていく酒蔵だ。

蔵元当代の新しく作った主銘柄で、雫取り、木槽搾り、無濾過、無加水にこだわった銘柄「蒼斗七星」。創業以来の、これまでの主銘柄「ほろ酔い」。「ゲゲゲの女房」の著者・武良布枝の地元ということで作った銘柄「ゲゲゲの夫婦酒」がある。

青砥酒­造は、米作りも酒作りもこだわって、酒瓶もこだわってる。

当代は、東京でモデル経験後に、家業の酒蔵を継いだ異色の蔵元。これから日本酒をどうやって作るか、どうやって売るか。これまでの作り方、売り方に縛られることなく、新しい感性で、新しい日本酒を作っている。

島根の酒は芳醇辛口が多いが、「蒼斗七星」は淡麗辛口。時代とともに日本酒も変わっていく。これまでの芳醇辛口の「ほろ酔い」と、これからの淡麗辛口の「蒼斗七星」。どちらを好むかは、呑む人しだい。

呑み比べた3本
ほろ酔いだんだん 生貯蔵酒・本醸造
Alc:16〜17・酒度:?・精米歩合:65%(五百万石)
蒼斗七星 木槽搾り・特別純米
Alc:16〜17・酒度:?・精米歩合:65%(佐香錦)
蒼斗七星 木槽搾り・純米吟醸
Alc:16〜17・酒度:?・精米歩合:58%(佐香錦)

「佐香錦」は、「山田錦」が島根では栽培に適さないために、20年の研究、開発のすえにできた島根地産の酒米。島根の酒神を奉る佐香神社(別名松尾神社)が由来。
澄んだ香りと、酸味のある淡麗辛口な味わい。「蒼斗七星」は、この「佐香錦」の旨味をひきたてる酒だ。

ぜひ。

2013/12/21

すみれ



酒呑み歩き 渋谷・すみれ(再配信)

中生120円は初配信時

2013/12/20

升亀+神田酒場の話



酒呑み歩き 神田・升亀+神田酒場の話

神田で呑み歩く。

ガード下の「馬力」で呑んで、隣の「大越」で呑んで、歩いて5歩くらいの、隣の「升亀」で呑む。揚げものの旨い大衆酒場だ。

客はけっこう入ってるが、妙な静け。琴の調を聞きながら、ホッピーセット380円とナカ280円をひとつずつ頼む。はしご酒の定番。

大瓶480円。レモンサワー300円、酎ハイ280円。隣と比べるとちょっと安い。肴はとにかくボリュームがある。

40年も続いた「升亀」は2013年12月に閉店とのこと。「升亀」の閉店理由は知らないが。神田の大衆酒場の、神田酒場の名店がなくなる。

神田は再開発中だ。

徳川幕府から、日本の政治、経済、文化の中心であり、三権の中心である千代田区。皇居もある。その中心の中心を囲むように、神田界隈には中小の会社が集まっている。

神田は、開府に合わせて、徳川家に従ってきた三河国の職人、商人の移り住んだ城下町だ。未だ古き町並を残している。そのためか、都心としては物価も安い。周辺会社のサラリーマンを目当に安い大衆酒場も多く、夜になるとたくさんの酒好きが集う。遠方からも酒好きが集う。まさしく庶民ための大衆酒場。

ちなみに昔はサラリーマンを目当に売春や消費者金融の店も多かった。

神田は、日本の中心の中央区でありながら、大衆酒場も多い。酒好きには嬉しいところだ。だが、その一方で、神田に住む住人、千代田区には嬉しくないところもある。

千代田区の夜間人口は昼間人口の1/20しかない。つまり住んでる人が少ない。神田は、少子高齢化、人口減少化によるコミュニティの停滞に悩んでいる。また、JR、東京メトロの神田駅の乗降客も、交通利便を考えてもとても少ない。通勤と酒好き以外に人の集まらない街。

そういう現状をなんとかしようと、現在再開発が進んでいる。過去の再開発と違うのは、鉄道会社などの企業ではなく、地域主導の再開発。地域活性を目的に、官民、地域が一緒になって再開発を進めている。

住宅街が壊されてビルが建ち、商店街がなくなって商業施設ができる。駅前も整備が進んでいる。街の風景は変わっていく。

「升亀」の閉店理由は知らないが。

神田の大衆酒場を、神田酒場を楽しめるのは、今しかない。ぜひ。