2014/03/11

日本酒・かたふね/笹印/鳳陽













酒呑み比べ かたふね/笹印/鳳陽

呑み比べた3本
かたふね 純米吟醸(新潟・竹田酒造店)
Alc度:15.6度・酒度:ー5度・精米歩合:55%(越淡麗)
笹印笹祝 純米吟醸(新潟・笹祝酒造)
Alc度:15〜16度・酒度:+3度・精米歩合:55%(山田錦)
鳳陽 純米吟醸(宮城・内ヶ崎酒造)
Alc度:16度・酒度:+3度・精米歩合:50%(蔵の華)

いつもは酒蔵別で日本酒を呑み比べているが、東北の酒蔵の純米吟醸酒を呑み比べた。酒蔵の紹介は別の機会に。

ここでは酒米の話を。

吟醸酒は、昔は「吟味して醸した酒」。今は精米歩合60%以下の日本酒の意。本醸酒も、純米酒も精米歩合60%以下は吟醸酒。精米歩合は、玄米に対しての精米の割合で、玄米の60%を使う(40%を削る)と吟醸酒となる。ちなみに飯米で90%。

有名な酒米は兵庫の「山田錦」。全国新酒鑑評会で金賞受賞歴も多く、「山田錦」と日本醸造協会の「協会9号酵母」で精米歩合35%の日本酒を作れば金賞をとれる言われた。あまりにも「山田錦」ばかりなので山田錦部門を設けたほど。

大粒で心白が大きくて高度精米のできる、つまり大吟醸酒(精米歩合50%以下)のための酒米。あの有名な旭酒造の「獺祭」で、「山田錦」の精米歩合23%の大大吟醸酒もある。

ただし大粒で、背が高いので倒れやすい。ゆえに育てるのが難しく、高価で、不作年は酒蔵同士のとりあいになる。

他に有名な酒米は新潟の「五百万石」、長野の「美山錦」、岡山の「雄町」。
「五百万石」は「山田錦」に次ぐ有名な酒米。「雄町」は1859年に見つかった古い酒米で、「山田錦」や「五百万石」の親種。だいたいの酒米は「雄町」から生まれた。優れた酒米だが、育てるのが難しく、絶滅種に近い。「美山錦」は1978年に醸造試験所で掛け合わせた酒米に放射線を照射。たまたま生まれた(できた?)酒米。

あとは漫画「夏子の酒」に出てきた、山形の「亀ノ尾」とか、広島の「八反」「八反錦」とか。

さて、米処、酒処の新潟の酒蔵、竹田酒造店の「かたふね」の酒米は「越淡麗」。小粒の「五百万石」は、「山田錦」と違って高度精米に耐えられない。「越淡麗」は米処、酒処の意地で生まれた。生まれるまで実に16年間もかかった。大粒で、高度精米のできる、やはり大吟醸酒のための酒米。親種は「山田錦」と「五百万石」。

「蔵の華」は宮城の酒米。宮城は長野の酒米「美山錦」を作っていた。地元の酒蔵に自産の酒米が欲しいと言われて生まれた酒米。こちらも長野に対する宮城の意地。生まれた「越淡麗」は「美山錦」より優れていると自画自賛(笑)。実に親ばか。冷害や病害に強く、大粒で、やはり高度精米のできる大吟醸酒のための酒米。

どこの酒蔵も、めざすは純米大吟醸。最近は「獺祭」に影響を受けたのか純米大吟醸がブーム。磨かれた酒米の味を、ぜひ。

でわ。

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