2014/02/08

日本酒・信州銘醸(長野)













酒呑み比べ 長野・信州銘醸

呑み比べた3本
瀧澤特醸しぼりたて限定生酒 本醸造
Alc度:17〜18度・酒度:+1度・精米歩合:59%(美山錦)
瀧澤 純米吟醸
Alc度:16〜17度・酒度:+2度・精米歩合:55%(美山錦)
瀧澤 活性にごり 純米
Alc度:16〜17度・酒度:?度・精米歩合:55%(美山錦)

1958年に地元の4つの酒蔵がまとまって信州銘醸となった。だが、もっとも古い酒蔵は1850年創業と、歴史は古い。酒銘は「喜久盛」をメインに「梁山泊」、「黒耀」、そして「瀧澤」。硬度0.95の日本一の超軟水で作っている。

「瀧澤」は、超軟水の黒耀の水と、長野の酒米・美山錦、そして酒造歴約60年の現役最高齢の小谷杜氏で作られた酒だ。

杜氏は、酒の作る蔵人のトップ。酒蔵の醸造責任者。蔵元は、酒蔵のオーナーで、経営責任者。最近の小さな酒蔵は蔵元が杜氏だったりする。

元来は稲作農業を営む人達が、冬の農閑期の収入源として酒蔵で働いた。酒は、秋に始めて冬を越して作るので、酒蔵も人手として助かった。やがて米作りのプロは酒造りのプロとなって、酒を造る責任を任された。

杜氏は同郷同士で集まった。また、酒蔵の多い地域は、杜氏のとりあい、せめぎあいもあった。さらに醸造の秘伝とか奥義とかがあって、旨い酒を作るためには杜氏が絶対必要になった。まあ、蔵元が任せすぎたわけ。「杜氏になれば御殿が建つ」といわれたほど。ちなみに日本三大杜氏は、岩手の南部杜氏、新潟の越後杜氏、兵庫の丹波杜氏。長野には小西杜氏、諏訪杜氏、飯山杜氏がある。信州銘醸は小西杜氏。

だが、戦争や業界の衰退などで杜氏も少なくなった。秘伝とか奥義とかわからないことは別として、まず、醸造技能を知った杜氏の高年齢化が進んで、酒が作れなくて潰れた酒蔵もあるくらい。

最近は、醸造学を学んで、最新の設備と技術で酒を作ってる杜氏、酒が好きで飛び込んで作ってる杜氏も増えてきた。杜氏も、酒の作り方、酒蔵の考え方とともに変わってきている。特に女性杜氏が増えてきた。

ただ、醸造学を学んで、最新の設備と技術を持てば酒が作れるわけではない。米と水と麹を知って、蔵内の空気を読んで作る。そのためには長い歴史に培われた伝統的技能は必要。そして新しい酒の作り方が、新しい酒蔵の考え方があるべき。なければ、伝統の「日本の酒」ではない。精米歩合だけが日本酒の価値ではない。作り手も呑み手も、米を磨けば旨くなると思っている。

まあ、なにより「作り手の見える酒」はいい。もし、見学のできる酒蔵があったら、呑む酒がどんな人の手によって作られているか、見てほしい。

でわ。

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