2013/11/30

日本酒・美寿々酒造(長野)



酒呑み比べ 長野・美寿々酒造

美寿々酒造は1893年創業。銘柄は蔵名の「美寿々」。

まだ歴史の浅い酒蔵だが、日本酒への情熱は深い。蔵元みずから杜氏となって、基本に忠実な日本酒を作り続けている。長野の酒米「美山錦」にこだわって、49%も磨いた大吟醸酒でありながら吟醸酒とつけて出しているところに、愚直ながらも真摯な姿勢を伺える。

小さな酒蔵のため流通数は少ない。

「純米吟醸」は49%も磨いても大吟醸ではなくて吟醸。酒蔵としてのかっこよさ。磨かれた、フレッシュな香りと味わい。「美山錦」の旨味はちゃんとある。こだわりぬいた1本。

呑み比べた3本
・美寿々生原酒・本醸造(期間限定)
 Alc度:19・酒度:+2~3・精米歩合:70%(美山錦)
・美寿々無濾過生・特別純米
 Alc度:17~18・酒度:+4~5・精米歩合:55%(美山錦)
・美寿々無濾過生・純米吟醸
 Alc度:16・酒度:+2・精米歩合:49%(美山錦)

2013/11/29

KFC ROUTE25(1)



酒呑み歩き 下北沢・KFC ROUTE25(前編)

下北沢で呑み歩くわけは、ここに世界で唯一の酒が呑めるケンタッキーフライドチキンがあるからだ。そのために来た。いったいどういう店か。

ケンタッキーフライドチキンは、現在は社名をKFCと改めて、ファーストフード&レストランチェーンの最大手のヤム・ブライズグループの1社だ。日本のKFCは、実は三菱商事の連結子会社で、アメリカのKFCとはライセンス契約。他にピザハットもライセンス契約していて、KFCとピザハットは同じグループ。

ちなみに、カーネル・サンダースの等身大立像は、当時日本ではフライドチキンが知られてなかったため、イメージ戦力として作られたので、本国のアメリカにはない。老眼鏡は、昔はちゃんと度が入っていて眼鏡フレームの生産で有名な鯖江市で作られてた。今は定かではない。

「ROUTE25」はKFC下北沢店の3階にある。一見店内はスポーツバーのよう。17時まではKFCの喫煙席、18時からは「ROUTE25」として営業。フライドチキンはあたりまえだが、メニューも価格も一般店と変わらない。ここだけの肴はピクルス、野菜スティック、デザートなどで、平均300~500円。酒はノーチャージでビール、ワイン、ハイボ、そしてカクテルなどで、平均500円。ふつうの酒場と変わらない。しかし、フライドチキンを食べながらビールやハイボが呑めるのはいい。

この感動はなかなかない。できれば新宿、渋谷あたりにあると嬉しいのだが。下北沢の成績しだいだ。

コースメニュー(笑)や飲み放題(1280円)など、宴会、貸切対応もできる。テラス席もあるので、大人の誕生会に、ぜひ。

2013/11/28

ビックロ



酒呑み歩き 新宿・ビックロ

新宿のビックロ(ビックカメラ新宿東口店)の酒類売場で角打ち(いわゆる有料試飲)できる事は、意外と知られてない。

酒屋の店先で酒(商品)を呑む事を角打ちという。酒好きが酒を買って家に帰るまでがまんできず呑んでしまう、なんとも情けない事情から始まった角打ち。この角打ちを商売にして、商品代+場所代で呑ませてくれる酒屋もある。センベロ酒場も立ち呑み屋も安いが、角打ち酒屋は最も安く酒が呑める処だ。まあ、買って路上や公園で呑んだ方が安いが。

ビックカメラ(ビック酒販)で、このビックロだけだったが、2013年にできた赤坂見附駅店でもできるらしい。

62800円のモルトウイスキーが2980円(30ml)、99800円のワインが6980円(60ml)など。焼酎は、30mlで「魔王」14800円が380円、「森伊蔵」32800円が580円で呑める。いずれも取材時の時価。

ビック価格でも高いか安いかは別として、酒場では置いてない高い酒が安く呑めたり、グラス売りしてない酒が呑めたりできる。ふつう(?)の酒も、呑んだ事のない銘柄を試飲できるのは嬉しい。肴もけっこうあり、買ってその場で食べられる。また、ナッツを無料で貰える。

もうひとつ。ここでの楽しみがある。

0度冷蔵のハイネケンが220円で呑める。ギンギンに冷えたグラスもセルフサービスで使える。ビックカードも使えるので、数百円の残高があれば旨いビールが呑める。

酒屋より安いビック価格で角打ちできるわけだから酒好きは、ぜひ。

2013/11/27

宮鍵+剣菱の話



酒呑み歩き 下北沢・宮鍵+剣菱の話

下北沢の呑み歩く。

駅前商店街の喧噪から離れたところにある、おでん屋「宮鍵」。下北沢の街とともに歴史を刻んできた大人の酒場だ。若者(特に学生)の多い街は、安いチェーン酒場が多い。下北沢にはもうひとつある。原風景を思わせる古い町に住む、大人のための安い酒場だ。「宮鍵」も、その1店。

60年の歴史の関西風おでんを食べながら、500年の歴史の剣菱を呑みながら店主に下北沢の昔と今の話を聞いた。再開発への疑問や今後の下北沢の不安。

「剣菱」で、まず思い浮かべるのは「こち亀」の両津勘吉が8歳から、ずっと呑み続けてきた酒。いちばんすきな酒。その話を、ずっと覚えて続けてきて、初めて呑んだ日本酒が「剣菱」だ。旨くなかった。

2013年になってHPができた「剣菱酒造」。その酒の好き嫌いはあるが、日本酒の歴史で、知っておきたい酒蔵のひとつだろう。

HPのトップページにも書かれているが、1505年創業の「剣菱酒造」は、500年間で蔵元(酒造)家が5回も変わっている。それでも愛されて、呑み続けられて現在に至ったのは皆様のおかげだと書かれている。そして、その歴史を残すためにHPを始めたという。まあ、500年の歴史という銘柄(ブランド)を売買で繋いできた感もあるが。

実は1505年創業というのは明らかでない。当時の、どの文献にも「剣菱」の銘は書かれていない。文献には「剣菱」のロゴマークが描かれているだけ。ロゴマークはあっても、銘はわからない。その後に、そのロゴマークの付いた酒が江戸で飛ぶように売れるようになり、「剣菱」と呼ぶようになり、「剣菱」という銘になった。

「剣菱酒造」は、かつては酒処で有名な伊丹にあった。1929年に、上質の酒米「山田錦」や上質の水「宮水」があり、「灘の生一本」で知られる灘五郷のひとつ、御影郷に酒蔵を移した。

地元では葬儀の時に用いられるために、「弔い酒」といわれている。神社でも、よく酒樽を納められている。また、赤穂浪士が討ち入る前に蕎麦屋で杯を交わした酒といわれている。

一時期、他の酒蔵から酒を買って、「剣菱」の銘で悪質の酒を売ったという噂話があった。そういう噂話が、酒の好き嫌いとは別に避けられてきた理由かも知れない。

最近は、純米吟醸のすっきり淡麗辛口、フルーティな酒が好まれるが、「剣菱」は真逆のどっしり辛口という好き嫌いのはっきりした酒だ。500年間とは言い切れないが、ずっと作り続けてきた酒。大きい酒蔵でありながら、酒だけは歴史を受け継がれてきたようだ。

ちょっと辛口(笑)な文面になってしまった。

ただ、日本酒を呑む機会が増えて、「剣菱」を久々に呑んだが、旨かった。昔の日本酒らしいというより、「剣菱」らしいというかんじ。「宮鍵」に「剣菱」があるのが、とっても嬉しくて呑んだが、やっぱり旨い。もし、呑んでないなら。もし、呑まず嫌いなら。ぜひ。

店内には60年の歴史が刻まれている。広い調理場、たくさんの棚は昔の賑わい。今は広い調理場を店主一人が歩き回り、たくさんの棚に置かれてる器は少ない。でも、味は変わらない。初めて来たが、きっとそうだろう。

ワインやバランタインも安く呑める。おでんに合うかは別だが。客の好みも変わったんだろう。ここは剣菱(1合・420円)を燗で呑み、できたてのおでん(100~300円)を食うのが、いちばん合う。1000円くらいで、ちょうど心も体も温まる。「宮鍵」もぜひ。

2013/11/26

四方酒店(3)+角打ちの話



酒呑み歩き 浅草・四方酒店(後編)+角打ちの話

浅草で呑み歩き。長居した四方酒店の事を書いておく。宣伝になるかな。

九州で角打ちは有名。計り売りの酒をその場で呑んでいた。なぜ「角打ち」というかは諸説ある。

酒場(飲食業)は許可が必要なため、あくまで客がかってにレジの一角で呑んでるだけ。酒場ではないので、接客はない。客はかってに酒を買う。イスもないので、客はかってにビールケースを置く。客はかってに肴も買う。店頭にある肴は乾きものや缶詰だが、気づくとかんたんな料理がかってに(?)置いてある。

店によって店頭価格だったり、+場所代を載せたりするが、酒場で呑むよりは当然安価。最近は「角打ち」と言いながら、ちゃんとした飲食業を始めて、店頭価格の倍で売ってる酒屋がある。立ち呑み屋でチャージ(通し代)を取る以上にふざけてる。浅草にもそういう酒屋は多いので、気をつけてほしい。

四方酒店もそうだが、酒場とのもうひとつの違いは「気軽な呑み場」な事だ。

午前9時から呑める四方酒店は、夜勤明けの呑み場になる。大瓶350円。デンキブラン200円。タカラのカップ(220ml)+ホッピーソトを合わせて370円。かなり濃いめのホッピーが2杯も呑める。安い酒場で、セット400円+ナカ200円=600円で1杯300円。ここでは1杯185円。安すぎる呑み場だ。

家に帰って呑めばいいのに。確かに安く呑むには、ここで酒を買って家で、路上で、公園で呑めばいい。もっと安くなる。家で呑めば、すぐに寝られる。ここから帰るのは辛いだろう。ただ、呑み場というのは、そこの雰囲気を含めて酔うのだ。呑みながら愚痴をこぼして、みんなのがんばりを聞いて、明日もがんばろうと家路に着く。そういう「活力」を満たす為の「場」だ。

客のひとりが余ったカップを持って「もう寝るわ」と言い残して帰っていく。朝の家路は、きっと楽しいだろう。

2013/11/25

四方酒店(2)+缶チューハイの話



酒呑み歩き 浅草・四方酒店(中編)+缶チューハイの話

浅草の呑み歩き。四方酒店で、昼から「デンキブラン」で酔う。チェイサーに「ハイリキ」を呑む。そのまま缶チューハイの話に…。

缶チューハイ好きが勧めるのは、キリンの「本搾り」。糖類、香料、着色料無添加で、ウォッカと果汁のみ。果汁は、レモンは12%、グレフルは28%、オレンジは45%と、オレンジはジュースより果汁が多いのでは。

残念なのは、あまり売ってない事。カクヤスでもロング缶のケース買いはできない。

「本搾り」は、2003年にメルシャンが作った。そして2007年にキリンブランドになったが、キリンには「氷結」という缶チューハイのトップブランドがある。「本搾り」はセカンドブランドとして不遇にあう。事実、2011年の震災時に、製造優先は「氷結」だったという。

「氷結」も含めて、多くの缶チューハイは甘い、とっても甘い。その中で「本搾り」は甘くない。添加物ばりばりで、果汁ちょっとの缶チューハイばかりの中で、この「旨さ」といったら。オススメはレモンとグレフル。

缶チューハイは、一部を除いて焼酎ではなくウォッカを使っている。好き嫌いはあるが、やっぱり缶チューハイ好きとして、焼酎を勧める。現在はタカラの「CANチューハイ」とアサヒの「ハイリキ」のふたつ。「ハイサワー缶」も醸造アルコール(いちおう甲類焼酎)を使っている。

オススメは「ハイリキ」。

正しくは「チューハイハイリキ」。1983年に「ハイリッキー」という名で東洋醸造が作った、日本初のチューハイブランド。その後に旭化成に移って、「ハイリキ」となって、2002年にアサヒビールに移った。

「CANチューハイ」は日本初の缶入りチューハイ。「ハイリキ」は、最初は瓶で、缶になったのは1984年7月。

アサヒビールにはカルピスから移った「カルピスサワー」や、協和発酵から移った「カクテルパートナー」もある。キリンの「本搾り」と違って虐げられるほどアサヒオリジナルのチューハイは有名ではない。というか知らない。

缶チューハイの中ではマイナーブランドだが、旨い。呑みやすい。ロング缶か、瓶をゴクゴクと呑みたい。オススメはプレーンにカットレモンをのせて呑む。ミントをのせてももいい。ぜひ。

2013/11/24

四方酒店(1)+デンキブランの話



酒呑み歩き 浅草・四方酒店(前編)+デンキブランの話

「デンキブラン」という名は知っていた。浅草にある神谷バーでしか呑めないと思っていた。浅草で呑み歩いた時に、四方酒店で呑めたのでびっくりした。

角打ちのできる四方酒店で、実は初めて「デンキブラン」を呑んだ。

「デンキブラン」は日本で最も古いバー、神谷バーの創業者・神谷伝兵衛が考えたブランデーベースのカクテル。材料の詳細や配合は明かされてなく、神谷バーでしか呑めない。アルコール45度で舌が痺れたとか、また、発表当時に流行モノをなんでも「電気なんとか」と言ってたとかで、「電気ブランデー」。そして「デンキブラン」となった。

現在も30度と40度がある。冷やしてストレートで呑む。チェイサーなしでは、ちょっと呑めない。神谷バーではビールをチェイサーに勧めている。ブランデーよりハーブ(?)っぽい香りと、よくわからない味わい。まあ、260円と割安なカクテルなので、ぜひ。休日の神谷バーは混んでいるので、「デンキブラン」だけを呑むなら四方酒店がオススメ。ちなみに200円。

実は、神谷バーのオーナーであるオエノンホールディングスの合同酒精が、地酒として浅草だけで売っている。神谷バーに行かなくても呑めるわけだ。合同酒精はビッグマンや鍛高譚などのメーカーだ。グループに富久娘や北の誉などもある。

調べたらネットでも売っていた。もう浅草に行かなくても呑めるわけだ。まあ、商売上手なメーカーなので。でわ。

2013/11/23

福ちゃん



酒呑み歩き 浅草・福ちゃん

東京メトロの銀座線浅草駅改札口の、徒歩5秒もかからないところに「福ちゃん」がある。

その先は浅草地下商店街という、1955年にできた現在東京で最も古い地下商店街で、日本で最も古い地下商店会が続く。今は、ほとんどの店が閉まり、昔から地元に支えられた数店のみが開いている。

東京の有名な地下商店街は、2013年に閉鎖が決まった銀座・三原橋地下街。1952年にできたというから、浅草地下商店街より古い。銀座シネパトスの閉館は、同館を舞台にした映画「インターミッション」のロードショーで飾られた。ふたつの地下街は、日本で最も古い地下鉄・銀座線で結ばれていて、最古の地下商店街のバトンは浅草地下商店街に渡された。

浅草を呑み歩いた。

改札口から浅草寺までの近道、浅草地下商店街を通って立ちそば「文殊」で軽く昼飯を食べようと思っていたが、改札を出たら香ばしい焼きそばの香りが。駅近すぎる処にある焼きそば「福ちゃん」。

「福ちゃん」は、焼きそば屋というより超駅近な酒場としての利用を勧める。酒や肴のメニューも豊富で、焼きそばはシメに食べる。これが「福ちゃん」の正しい利用方法だ。なんといっても嬉しいのは、勘定を終えていれば電車の音が聞こえてから走ればまにあう。

電車の音がうるさい事と、閉まるのが平日9時という事は気になるが、昼間から呑めるので、休日は最後の地下商店街で呑んで、浅草観光もいいのでは。

酒は中生400円・中瓶450円・サワー&ハイボ350円など。肴は200~400円。

ちょっと濃いめの焼きそば(350円)は、カレーより、目玉焼きのトッピング(各+100円)。生が合う。ぜひ。

2013/11/22

てっちゃん(3)



酒呑み歩き 下北沢・てっちゃん(後編)

最近の酒場は外国人のスタッフが多い。別に酒場に限らないが。そして小さな酒場は、知らない隣の客やスタッフと話すのも楽しい。

下北沢の焼きとり屋「てっちゃん」のスタッフはベトネムから来た。留学で来て、働きながら日本語学校に通い、日本語を覚えたら日本の大学に通い、そして母国に戻って日本の会社に勤めるのが夢らしい。すでに日本語学校を1年も通って日本語検定3級を取ったのだから、もう夢ではない。みずからの力で目標に向かって着実に歩んでいる。

脱サラのじぶんにはいい刺激になった。まあ、会社に入る事が目標になり、目標に達した後が気になるが。でも、日本語を覚えて、日本の大学を出て、焼きとりも焼けるようになって、その経験はきっと役にたつだろう。

今の小さな酒場は、カップルやグループの客が多くなって隣の客に話しかけづらくなったり、スタッフも話をあしらうようになったり。店主や常連客しだいと思うが、楽しい雰囲気はなくなった。昔の酒場はコミュニティの場所だった。店主が一見客に声をかけたり、常連客がオススメやマナーを教えたり。そういう場所だった。

まあ、酒好きの戯れ言。金宮のナカをおかわり。

帰り際に「ベトナムで焼きとり屋を開いたら行くよ」と言ったところで、じぶんは通えないか(笑)。スタッフの「開いたら来てくださいね」は愛想と聞き流して。外国人は、なんとなく日本人の失った愛想とか、世辞とかをもってると感じた。すべてとは言わない。だれもとは言わない。でも、昔の酒場にあった雰囲気を感じた。

日本人とは明らかに違う思想、文化をもつ外国人のスタッフと話すだけでも楽しい。そういう「てっちゃん」に、ぜひ。

2013/11/21

てっちゃん(1)+下北沢酒場の話



酒呑み歩き 下北沢・てっちゃん(前編)+下北沢酒場の話

下北沢駅前は只今絶賛再開発中だ。そして駅前から続く下北沢北口駅前食品市場はまもなくなくなる。下北沢は戦後の闇市の雰囲気を残す少ない街。小さな店、味のある店は、この機会にほとんどが廃業となる。後継者問題とか、色々とあるかもしれないが残念。

数年後は、下北沢は大きく変わるだろう。暮らしやすくなるだろう。戦後の名残は壊されて、下北沢の魅力ある街並は失われるだろう。

その食品市場の、シャッターばかりの一角に焼きとり屋の「てっちゃん」がある。吉祥寺のハモニカキッチンの店だ。ハモニカ横町を占める酒場グループ。吉祥寺のテナントが空くと、謎の激安チェーン酒場(裏モンテローザ酒場)のように名を変えて店を出すので、入って雰囲気でようやくわかる。気づけば、いつのまにか吉祥寺の街がハモニカキッチンの店に占められてるわけ。いや、ここまで進出してきたか(笑)。

ホッピー(ソト)300円+ナカ300円。つまりソトとナカが別に出てくる。焼酎の量が2杯分はあるので、ナカのオカワリしなくても充分2杯は呑める。ということは1杯300円。いや、ジョッキが小さいので3杯は呑める。焼鳥は1串100円が中心。

気になったのが、店の奥で店主が紙パックの金宮焼酎を金宮の一升瓶に移し替えている。棚に並べてある一升瓶は開封すみ。つまり移し替えたもの。そして目の前でスタッフが、その一升瓶の金宮焼酎をラベルのない五合瓶に移し替えている。なんの意図か、なんの儀式かわからないが。

そういう「てっちゃん」はいつまであるかわからないので、なくなる前に、ぜひ。

松ちゃん+100円酒場の話



酒呑み歩き 下北沢・松ちゃん+100円酒場の話

下北沢を呑み歩く。

チェーン酒場には興味ないので、安くて旨くて呑んで楽しい酒場を探す。ネットで、100円の立ち呑み屋・松ちゃんを知る。個人経営でこの安さは行かなければならない。

2012年の立ち呑みの日にできたという松ちゃん。酒、肴は100~200円だという。

100円酒場は意外とある。板橋の「SHOWA」、蒲田の「往来」、秋葉原の「百飲」などは有名だ。すべてが100円ではないが、店主の心意気が伺える。松ちゃんも楽しみだ。
下北沢は道がわかりにくいうえに、駅前が再開発中で通行制限もあって迷って迷った。ようやく、看板を見つけたが…。廃業。店主は代わって、別の店になっていた。

チェーン酒場が増えているが、一方で個人経営の酒場は減っている。市場原理、資本主義はしかたがない。だが、酒好きは、酒以上に酒場の雰囲気に酔うのだ。酒だけに酔うなら家で呑めばいいし、買って路上や公園で呑めばいい。そのほうが安い。

また、チェーン酒場は雰囲気を楽しめる処ではない。うるさい客、他の客に迷惑をかける客。酔う事を楽しむのではなく、酔って(酔ったふりして)騒ぐ事を楽しんでいる。騒ぐなら、それこそ家で騒いでほしい。

個人経営の酒場は、常連客の客筋も影響するが、店主の気心で楽しい雰囲気になる。小さいながらも楽しく呑める店が減るのは、とっても残念だ。

よっちゃん+下北沢酒場の話



酒呑み歩き 下北沢・よっちゃん+下北沢酒場の話

平日(水曜定休)も休日も15時30分から酒が呑める店。下北沢駅前の商店街からちょっと離れた処のビルの地下に、「よっちゃん」はひっそりとある。

若者(特に学生)の街・下北沢はチェーン酒場が多い。チェーンではなく、安く、旨く、オトナの楽しめる酒場。「よっちゃん」はまさしくそういう酒場だ。

15時23分に着いて開店を待つ(笑)。

まずはタカラのホッピーセット(400円)を注文。キンミヤ(+50円)も置いてある。冷えたグラスに割った氷とナカを入れる。業務用製氷機からガサッ、ガラガラと入れるのではなく、アイスピックで氷を割る。カツカツと。そしてコップでナカを計る。100ml以上はある。

このキャッシュオンまでの一連の動作に、チェーン酒場にない、オトナの酒場を感じる。オトナはこういうところに目をつける。決して文句は言わないが、「氷をたくさん入れやがって」とか、「ナカが少ないんだよ」とか。心の中で文句を言っている。

グラスが小さいので、けっこう濃い。ホッピーは3~4杯は呑める。サワーは割りモノが小瓶だが、2杯は呑める。2人で呑むなら始めからセットとナカ(250円)を頼めばいいので、ホッピーのほうがぜったい得だ。

この濃さで1杯325円は安い。オトナは酔いたいので、こういうところに目をつける。センベロ酒場に認定だ。

酒は大瓶550円・中生450円・サワー&ハイボ400円など。肴は150・200・250・300円。いちばん高い肴(350円)は焼きそばなど。酒が進む、手づくりの肴が多い。

小箱なので、地元客が来る前に入りたい。

あと、クエン酸で割るチュウタン(酎炭)が呑める。最近、やたらと見る「お疲れさんにクエン酸」か。「お疲れさんにクエン酸」はスター食品の出してる健康飲料。「バイス」で有名なコダマ飲料のコダマサワーのフレーバーに「お疲れさんにクエン酸」が加わった。すでに炭酸が入ってるので、焼酎を割るだけ。

次に来たら呑みたい。ぜひ。

マジックスパイス



酒呑み歩き 下北沢・マジックスパイス

下北沢で呑み歩く前に、「マジックスパイス」でスープカレーを食べた。

実は、スープカレーは発祥地の札幌の「ピカンティ」で初めて食べた。旨かった。「ココイチ」で食べたスープカレーや、カレーシチューとまったく違った。カレーというより、カレー料理のひとつ。作り方も、味付けも、できあがりも、香りも味わいもまったく違った。
一緒に食べた人が札幌のスープカレーを食べ尽くした人で、東京で少ない、ちゃんとしたスープカレーを食べさせてくれる店らしい。タイカレーやインドカレーの専門店は多いが、スープカレーの専門店は少ない。あっても、やっぱり違うらしい。

おまけ。レジにレトルトがあったので、買った。
店の味をレトルトで現すと、けっこう色々な原材料を入れるらしい。辛いというより舌が痺れる。ネットで味の再現度は高いと書かれていたが。やっぱり店で食べてほしい。ぜひ。

2013/11/20

てっちゃん(2)+ホッピーの話



酒呑み歩き 下北沢・てっちゃん(中編)+ホッピーの話

下北沢の「てっちゃん」で「ホッピー」を呑みながら、一度工場見学に行こうという話になった。

調べたが、できないらしい。残念。

ホッピービバレッジは1910年に秀水舎という名で創業。サイダーなどの清涼飲料水を作っていた。その後に、その技術を生かして1948年に割りもの「ホッピー」を作った。「ホッピー」は、現在幾度目かのブーム。どこの酒場でも呑める。関東以外でも呑めるようになった。3代目社長のがんばりで、ここまできた。

関東で有名なもうひとつの割りもの「ハイサワー」は1952年創業の博水社が1980年に作った。「ハイサワー」は焼酎の新しい呑み方として、サワーブームを起こした。博水社もサイダーなどの清涼飲料水のメーカーである。一時期低迷していたが、こちらも3代目の女性社長のもと、2013年に、焼酎をすでにハイサワーで割った「ハイサワー缶」を出した。かなり売れてるらしい。

最近はアルコール飲料業界そのものが苦戦。ビールも日本酒も缶入りも。ハイボ(ウイスキー)もワインも落ちてきた。

その苦境で、割りものを作り続けてきた2社が、傍目八目、どういう展開を見せてくれるか。特に「ホッピー」好きとしてはホッピービバレッジが気になる。社長が動くだけでは限界もあろう。メーカーなら商品でがんばってほしい。

そして。

2012年に、味の素からアサヒビールのグループになった乳酸菌飲料のメーカーのカルピスも、1994年にカルピスサワーを出した。カルピスサワーを呑んだ時、時代は変わったと感じた。コドモの時に飲んだカルピスを缶チューハイで呑むとは。2013年12月に、カルピスサワーはアサヒビールのひとつのブランドとして、新しく出される。時代は、また変わる。

ホッピービバレッジの話から大きく外れた。とりあえず、酒好きができる事は少ないが、「ハイサワー缶」を箱買いしよう。ぜひ。