2013/12/11

馬力(1)+コアップガラナの話



酒呑み歩き 神田・馬力(前編)+コアップガラナの話

神田の大衆酒場を呑み歩く。まだ13時。

焼きとり屋「馬力」はガード下にある有名な大衆酒場の1店。他の2店と違って若いスタッフが多い。気になる酒、肴を見わたして、店の名のついた「馬力ハイ」を頼む。どうやら焼酎は「金宮」らしい。いったいなにで割ってるのか。

ガラナエキス。

ガラナは、種に、カフェインやタンニンが豊富に含まれて、疲労回復や滋養強壮に用いられる。そのガラナエキスを使った炭酸飲料(ガラナ飲料)は原産国のブラジルではよく飲まれる。

日本では、1958年にアメリカから入ってきた「コカ・コーラ」に対して、全国清涼飲料協同組合連合会という謎の組織がガラナ飲料を広めようとがんばったが、コーラに負けてしまった。ただ、コーラの製造、販売が他の都府県より遅れた北海道では勝った。おかげで、現在でもコーラより飲まれている。北海道人愛飲の飲料だ。

その後にガラナ飲料は、日本コアップと名を変えた謎の組織が「コアップガラナ」という統一商標で、いくつかのメーカーに受託製造している。北海道では小原、北海道以外では、あのホッピービバレッジの寡占状態らしい。

「馬力ハイ」の次はなにを呑もうかと見わたしたら、「ばくだん」があった。めずらしい。

「ばくだん」は、その赤色から「あか」とも呼ばれる、京都で有名な酒。

赤ワイン(サントリーの「赤玉スイートワイン」)と甲類焼酎をまぜて作る。ストレート以外に、サイダーなどで割る。けっこう甘い。酒場によって色々と違う大衆酒場の酒だ。ストレートで呑むときは、「デンキブラン」と同じようにビールをチェイサーに呑むらしい。サンムーンというメーカーが全国販売している。

東京で、「バクダン」というと焼酎のビール割り。韓国で「爆弾酒」というとウイスキーのビール割り。まあ、京都も東京も韓国もただのちゃんぽん。

あと、戦後に「バクダン」という酒があった。

戦中、サツマイモを原料にした航空燃料のエチルアルコールを作った。焼酎と同じ蒸留製法で作ったので呑める。だが、大事な燃料なため、呑まないようにメチルアルコールを混ぜた。さらにまちがわないようにピンクに着色。戦後、この燃料が流れて、脱色、気化、メチルアルコールを除いて作った焼酎。まあ、そこまでして呑みたいわけ。ここまではいいが、うまく除けなかったり、めんどいから除かなかったりした「バクダン」を呑むと、失明。

ちなみに「赤玉スイートワイン」は、サントリーの創業者が1907年に「赤玉ポートワイン」という名で出した。ラベルに赤い丸(太陽)が描かれている。1922年にヌードポスターで話題になった。

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