2013/12/20

升亀+神田酒場の話



酒呑み歩き 神田・升亀+神田酒場の話

神田で呑み歩く。

ガード下の「馬力」で呑んで、隣の「大越」で呑んで、歩いて5歩くらいの、隣の「升亀」で呑む。揚げものの旨い大衆酒場だ。

客はけっこう入ってるが、妙な静け。琴の調を聞きながら、ホッピーセット380円とナカ280円をひとつずつ頼む。はしご酒の定番。

大瓶480円。レモンサワー300円、酎ハイ280円。隣と比べるとちょっと安い。肴はとにかくボリュームがある。

40年も続いた「升亀」は2013年12月に閉店とのこと。「升亀」の閉店理由は知らないが。神田の大衆酒場の、神田酒場の名店がなくなる。

神田は再開発中だ。

徳川幕府から、日本の政治、経済、文化の中心であり、三権の中心である千代田区。皇居もある。その中心の中心を囲むように、神田界隈には中小の会社が集まっている。

神田は、開府に合わせて、徳川家に従ってきた三河国の職人、商人の移り住んだ城下町だ。未だ古き町並を残している。そのためか、都心としては物価も安い。周辺会社のサラリーマンを目当に安い大衆酒場も多く、夜になるとたくさんの酒好きが集う。遠方からも酒好きが集う。まさしく庶民ための大衆酒場。

ちなみに昔はサラリーマンを目当に売春や消費者金融の店も多かった。

神田は、日本の中心の中央区でありながら、大衆酒場も多い。酒好きには嬉しいところだ。だが、その一方で、神田に住む住人、千代田区には嬉しくないところもある。

千代田区の夜間人口は昼間人口の1/20しかない。つまり住んでる人が少ない。神田は、少子高齢化、人口減少化によるコミュニティの停滞に悩んでいる。また、JR、東京メトロの神田駅の乗降客も、交通利便を考えてもとても少ない。通勤と酒好き以外に人の集まらない街。

そういう現状をなんとかしようと、現在再開発が進んでいる。過去の再開発と違うのは、鉄道会社などの企業ではなく、地域主導の再開発。地域活性を目的に、官民、地域が一緒になって再開発を進めている。

住宅街が壊されてビルが建ち、商店街がなくなって商業施設ができる。駅前も整備が進んでいる。街の風景は変わっていく。

「升亀」の閉店理由は知らないが。

神田の大衆酒場を、神田酒場を楽しめるのは、今しかない。ぜひ。

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