2013/12/06

さつま+赤星&ラガービールの話



酒呑み歩き 神田・さつま+赤星&ラガービールの話

サラリーマンの集う神田の大衆酒場を呑み歩く。サラリーマンの大衆酒場といえば、新橋・浜松町や銀座・有楽町だが、神田。午前10時開店の「さつま」に入る。店内は客でいっぱい(笑)。

「さつま」は鹿児島県人のオーナーが営む立ち呑み屋。さつま揚げ(450円)や、きびなご焼き(450円)などの現地直送の肴が食べられる。まずは「赤星」で乾杯。大瓶で400円という安さ。酎ハイ、ウーハイは310円。

でも、やっぱりここに来たら「赤星」だろう。

「赤星」。正しくは「サッポロラガービール」。酒場でしか呑めない熱処理ビール。

開拓使麦酒醸造所が、北海道開拓時代の1877年に作った、今もある日本最古のビールブランド。開拓使のシンボルである北極星(赤い星)をラベルに描いてあるので「赤星」。

なぜ、「赤星」は酒場でしか呑めなくなったのか。

「赤星」は熱処理ビールで、生ビール・ブームにできた「黒ラベル」の発売に合わせてなくなる予定が、酒場のオーナーたちに「この昔の香りと味わいがいい」と言われて、酒場限定流通のビールとして残った。ちなみにキリンも、生ビール・ブームに負けて「キリンラガービール」を生にしたが、改めて「キリンクラシックラガービール」という名で熱処理ビールを限定発売。好評のために今は一般発売となってる。ややこしい。

いずれも生ビールに負けてなくなりかけていた熱処理ビール。技術向上によって生ビールがビアホール以外で、店や家で気軽に呑めるようになって、「生ビールは旨い」というブームに負けて熱処理ビールは、なくなりかけていた。

ラガービールは熱処理ビールではなくて、ビールの1種。ビールは大別して下面発酵のラガービールと上面発酵のエールビールがある。

日本でよく飲まれているラガービールは、すっきり、シンプルな味わい。料理を食べながら呑む、水のようなかんじ。大量生産に向き、香り、味わいは似たよう。つまり、個性の出しにくいラガービールの中で、生ビールも、熱処理ビールもそう変わらない、いや変えにくい。

技術向上が、気軽に呑めなかった生ビールを、店で、家で呑めるようにした。呑む酒の選択肢を増やしてくれたことは嬉しい。

昔から呑んでいた酒が、やっぱりいちばん旨い。生ビールとか、熱処理ビールとか、なんとかブームではなくて、やっぱり旨いと思う酒を呑む。そういうビールが呑み継がれていく。

じぶんが旨いと思うビールを呑もう。ぜひ、呑んでほしい。

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