2013/12/17

髙橋(1)+鯨料理の話



酒呑み歩き 浅草・髙橋(前編)+鯨料理の話

浅草のホッピー通りを呑み歩く。

ホッピー通りといえば、別名で煮込み通りというくらい、ホッピーと煮込みで有名。それぞれの酒場で、それぞれの味の煮込みが食べられる。あとクジラ。有名なところは「捕鯨船」。意外とクジラを食べさせてくれる酒場も多い。酒好きの下町料理といえば、昔からのそばがき、天ぷら串あたり。そして煮込み、どぜう鍋。クジラも勧めたい。ということで、そのうちの1店、「髙橋」に入る。

日本の、世界のクジラの捕獲、保護については賛否両論があるので。パス。

日本近海はクジラの回遊路ということもあって、縄文時代からクジラを捕って食べていた。獣肉を禁じていたので、魚肉と見なされた鯨肉を食べていた。戦後の食糧難時は貴重な蛋白源ということで鯨肉を食べていた。実は、鯨肉は獣肉より優れた食肉だ。栄養価は高い。

1987年捕鯨禁止。

そのころから。獣肉の生産、加工、流通、保存技術の発達、そして食文化の欧米化によって鯨肉は食べなくなった。外国からの輸入、調査捕鯨などで鯨肉は食べられるが、高価で。戦後の印象か、鯨肉は獣肉の代用というイメージで。また、独特の香りと味わいが嫌で。鯨肉は食べなくなった。

今のクジラは、豪華(?)な下町料理。戦後の思い出の味。給食の思い出の味。庶民の味は、遠い昔の味になっている。

クジラのベーコンを食べる。よし、酒は「バイスサワー」を呑もう。

「バイスサワー」は清涼飲料メーカー、コダマ飲料の出している割りもののひとつ。赤しその味。「梅酢」という意。酢は入っていない。甲類焼酎を割って呑むサワー、炭酸の入ってない原液がある。原液は炭酸水を混ぜる。

「ホッピー」や、後藤商店の「ホイス」などとともに、昔の大衆酒場で呑んでいた酒。庶民は、ビールやウイスキーは高くて呑めなかったので、安い焼酎を割って作ったもの。ビールの代わりに「ホッピー」を、ウイスキー(ハイボ)の代わりに「ホイス」を呑んだ。また、安い焼酎は旨くなかったので、ごまかすために混ぜたもの。

今は、ビールもウイスキーも安く呑めるし、焼酎も旨いし。ということで、そういう酒はなくなったと思っていた。だが、いわゆる下町酒場で、懐かしいのか、新しいのか、よく呑まれているらしい。

浅草観光後、ホッピー通りの酒場で「バイスサワー」を呑む。クジラのベーコンを食べる。ぜひ。

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